kobaです。
書店にプラっと立ち寄った時にスッと目に入ってくる本ってあるじゃないですか。
そして瞬殺じゃないけど「瞬買い」しちゃうのってあるじゃないですか。
今回はまさにそれです。タイトルからして、やられました。
『読みたいことを、書けばいい』について読了したのでreviewです。
基本データ
- 著者…田中奉延(たなかひろのぶ)
- 出版社…ダイヤモンド社
- 価格…本体1500円+税
- ページ数…271P
- 初版…2019年6月12日
著者プロフィール
田中奉延(たなかひろのぶ)
1969年大阪生まれ。
早稲田大学第二文学部卒
学生時代に6000冊の本を乱読。
1993年株式会社 電通入社
CMプランナーとして活躍。2016年に退職、「青年失業家」を自称しフリーランスとしてインターネット上で執筆活動を開始。
webサイト「街角でのクリエイティブ」に連載する映画評「田中奉延のエンタメ新党」「ひろのぶ雑記」が累計330万PVの人気コラムになる。
その他、奈良県・滋賀県・福島県など地方自治体と提携したPRコラム、写真メディア「SEIN」連載記事を執筆。映画・文学・美術・写真・就職など硬軟幅広いテーマの文章で読者の熱狂的な支持を得る。
「明日のライターゼミ」講師。
本書が初めての著書。
Twitter:@hironobutnk
※巻末より転記。
本の概要
まず著者自身が
『本書では「自分が読みたいものを書く」ことで「自分が楽しくなる」ということを伝えたい。いや、伝わらなくてもいい。すでにそれを書いて読む自分が楽しいのだから』
とあるように、文章というのは自分が楽しくなければ意味がない、という視点から始まります。なので「バズる」書き方だとか、人にどうやったらウケる文章になるか、などの視点では全く書かれていません。なので『即効薬』を求めている方には向かないでしょう。各章のタイトルに関しても
だれに書くのか
どう書くのか
など、とてもシンプルだけど訴求力のある言葉がズバッと並んでいます。
全体として序章から第四章までで構成され、その他にコラムがチョイチョイ挟んであります。
とても読みやすい本です。
全般的にとても平易な言い回しになっていることや、何故か「ひらがな」が多いことなどがその理由かもしれません。
例えば「なんの問題もなく」とか「だれかの為に書くわけではない」など、何かイチイチ「ひらがな」で書かれている所に読みやすさを感じるのです。
そしてとにかくフォントと行間が美しい。
タイトルや大見出しはゴシックですが本文は明朝体です。それも細めの明朝体なのに読みやすい。
おそらく印刷の発色がとても良いのだと思います。さらにモノクロ印刷で画像や挿し絵が一つも無くシンプル。
とても上質の紙を使っています。
それがインクの発色の良さを実現させているのは間違いないでしょう。
なんたって手触りがとっても良い。
作品の背景
著者は電通退職後に様々なサイトにコラムを執筆し、各出版社から
「ぜひあなたの本を出したい」とオファーを受け続けましたが、そのどれもが
「SNSで飯を食う」だの
「バズる!儲かる!webライティング」だの
といった「手っ取り早く」系だったので断りつづけたそうです。
それがダイヤモンド社の編集者さんから唐突に地獄のように長く気持ち悪いメールを頂き、その熱量に怖さすら感じてある方々に相談したそうです。その相談した方の一人が糸井重里さんだったとか。
そしてその後もダイヤモンド社の編集者さんからは何万字ものメールが届きまくり、半年も先延ばしした結果、出すことになったのだとか。もう『執念』ですね…。
この本の最強おすすめポイント
とにかくシンプルでサクッと刺さります。
色々とご紹介したいフレーズはあるですが、この本の中で一番印象に残ったのは
つまらない人間とはなにか。それは自分の内面を語る人である。少しでもおもしろく感じる人というのは、その人の外部にあることを語っているのである。
という箇所です。本のちょうど真ん中くらいに書いてあります。
あぁ、そう書きながら私自身が自分の内面を語りつつあるww
そして
宇多田ヒカルのロースかつ定食840円の話
というのはとても納得の話なのですが、内容は本の中で確認してみてください。
そのとおりっ!!
となりますから
最後に
とても面白い本だったので、この著者の田中さん、また本を出さないかな~っと思って検索してみましたが、情報はありませんでした。
もう書く気はないのかな~
映画評の「エンタメ新党」というのも面白いのですが、2017年12月を最後に更新されなくなっていました。どうしたのかな~
いずれにしても「読みたい文章を書け」というのはその通り過ぎて、そして普遍の原理ですね。
是非ご一読を!!
koba
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