Book review『「超」勉強力』

書評~教養書・実用書~

kobaです。
今回は雑誌の新刊案内から見つけ、読んだ本です。
結構、一人の著者にハマるとその人の本を買い続ける時期が私にはあります。
少し前に中野信子さんの本『人は、なぜ他人を許せないのか』のreviewを書きました。
今回もその中野氏つながりからの購読です。
※中野氏の本のreviewはコチラ↓

中野氏はテレビで時々お見掛けはしていたのですが、一番印象的なのはNHKの「英雄たちの選択」という番組で脳科学からとても興味深い切り口で語る姿でした。
沢山著書も出されているのですが、今回はたまたま読んでいた雑誌の新刊案内にお名前があったので、まずはサンプルをダウンロードして面白かったので本編の購読に至りました。

もう一人の著者、山口真由さんは「テレビで観たことあるな~」くらいの印象しかなく、東大を首席で出たとか外国の弁護士免許持ってるとかの情報しか知りませんでした。時々バラエティでもお見掛けはしていましたが『勉強できる人』のイメージでした。なので二人の頭良い女性の本ってどんなんだろうと期待しながら読み始めました。
では以下、レビュー本編です。

基本データ

  • 著者…中野信子(なかの・のぶこ)、山口真由(やまぐちまゆ)
  • 出版社…株式会社プレジデント社
  • 価格…本体1100円+税
  • ページ数…256P
  • 初版…2020年5月22日

著者紹介

中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者・医学博士・認知科学者。1975 年、東京都に生まれる。
東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。
フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。
現在は、東日本国際大学教授、京都芸術大学客員教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。
レギュラー番組として、『大下容子 ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系/毎週金曜コメンテーター)、『英雄たちの選択』(NHK BS プレミアム)、『ホンマでっか!? TV 』(フジテレビ系)。
著書には、『サイコパス』、『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『空気を読む脳』(講談社)などがある。

山口真由(やまぐち・まゆ)
研究者・法学博士・ニューヨーク州弁護士。1983年、北海道に生まれる。
東京大学を「法学部における成績優秀者」として総長賞を受け卒業。
卒業後は財務省に入省し主税局に配属。2008年に財務省を退官し、その後、2015年まで弁護士として主に企業法務を担当する。
同年、ハーバード・ロースクール(LL.M.)に留学し、2016年に修了。2017年6月、ニューヨーク州弁護士登録。
帰国後は東京大学大学院法学政治学研究科博士課程に進み、日米の「家族法」を研究。2020年、博士課程修了。同年、信州大学特任准教授に就任。
出演中の主な番組として『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)、『ゴゴスマ』(CBCテレビ/TBSテレビ系)など。
主な著書に『いいエリート、わるいエリート』(新潮社)、『思い通りに伝わるアウトプット術』(PHP研究所)などがある。
※巻末より転記

本の概要

お二人の「勉強」に関して、『思索編』『実践編』という二つのカテゴリーで書かれています。そして後半は対談で締めくくられています。
になっています。
<各章の概略>

  • はじめに~中野信子~
  • 学ぶ、知る、生き延びる~中野信子【思索編】~
  • 前進はいつも勉強とともに~山口真由【思索編】~
  • 脳が喜ぶ学びの技術~中野信子【実践編】~
  • 反復と継続の極意~山口真由【実践編】~
  • 「好き」を追求した学生時代~中野信子×山口真由◎study_01~
  • 才能の伸ばし方~中野信子×山口真由◎study_02~
  • 流動化する社会を生きる~中野信子×山口真由◎study_03~
  • おわりに~山口真由~

<本の仕様>
今回は電子書籍で購入です。
表紙にお二人の写真が印刷されてあります。のイラストが良いです。そしてコピーが

頭の良さは後天的に伸ばせる

です。
これは「買い」です。
もう自分自身は40代なので無理なので、せめて我が子には後天的でいいから頭ゆくなれば…それにはどうしたら良いのか、と藁にもすがる思いで…(^^)

作品の背景

中野氏はいわゆる「勉強法」というものにこだわったことがほとんどなかったそうです。
その上で

「いわれてみればあれが勉強法だったのかもしれないな」

と気づきはするものの、それは「自分に合った方法」でしかなかったそうです。
そんな時に山口さんとの共著で勉強をテーマにした本の依頼があり、執筆に至ったとの事です。

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お二人は「自分の興味を軸に勉強に取り組む」という共通点はあるのの、考え方は対照的。
その違いは、読み進めていくと良く分かりました。

 

東大という共通点はあるものの、工学部と法学部という専攻の違いもありますもんねぇ。

この本のおすすめポイント

中野氏はもともと切れ味の良い書き方をされるのですが、この本でも「鋭い」書き方をされています。時には脳科学者の見地から実証的に。時には自身の体験から哲学的に。
それに対し、山口氏はとても「丸い」書き方をされます。なんというか、柔らかいというか。
いかに勉強ができたか、というより「勉強の仕方」を努力して身に着けていかれたプロセスが書かれています。

【中野氏のことばから】
中野氏の言葉の中で最も印象に残ったのは、本著冒頭の

子どもながらに生意気にも、「シーシュポスの神話のような人生は送りたくない」と思っていました。ギリシャ神話に登場するシーシュポスは、冥府において、頂上に着くとまた転がり落ちてくる岩を山頂へと永遠に押し上げ続ける罰を受けた男です。 「こんな神話があるんだ。人に使われる人生は、自分の意思通りにできないことが多く嫌なものだな……」  そう思っていたのです。  ただ、そんなことを考える一方で、「人に使われる人間でなければ生きていけないかもしれない」という不安もあった。」

という一節です。
この、「人に使われたくないけどそうしないと生きていけない」という相反する問いかけ。これを小学校の時に既に有していたというのだから、いったいどんな子供だったのでしょう!
でもこれって真実ですよね。
だれもがそのジレンマを抱えながら生きていく。
依存しないで自分らしく生きたいと言いながら、いざ一人になると不安になる。

自分って何だろう。
仕事や家庭に「使われる」人生を否定してきたけど、だれも使ってくれないというのは誰にも必要とされていないということ。そこに虚しさを感じる。

使われても虚しい。
使われなくても虚しい。

小学生でこれは考えないですよね…普通。私なんて遊ぶこととお小遣いの事しか考えてませんでした(;’∀’)
ちなみに中野氏自身は自身を評してこう言われています。

『とてもバランスの悪い子供でした』

 

【山口氏の言葉から】

山口氏は数学にとても苦戦されていたそうです。
(私と一緒…)
それなのに理系に進んだのはお母さんから

『数学は国語だから』
『最終的には解き方を覚えてしまいなさい』

と言われ、まず教科書をざっと読んでしまっていたそうです。
該当箇所の授業が始まる前にもう何回かサッと読んでしまうので、先生が授業をしていても
「なぜわざわざ教科書と同じことを言うのだろう」と感じていたと。
まず、家で教科書を読もうとは思わないですよね…ww

この「解き方を覚える」というのは勉強の基本だそうです。
私も簿記三級の勉強をしていた時に、何度も同じ問題を解きました。
実は簿記検定は一度落ちてしまったのですが、不合格の原因はやはりこの「解き直し」をしていなかったことでした。
二回目の受験の時は、そりゃあもう何回も問題を解き直して、最終的には丸々覚えてしまう。
その内に問題にされている「問われ方」が分かってくるんです。
「あ、このパターンの問題はアレだな」みたいに。
大体試験問題ってのは過去問をベースに、社会情勢に対してその論点は何が大切にされているのか、が分かってくるというか。
山口氏は「七回読み」を実践されていて、一つの本をザーッと七回読むそうです。
こう聞くと大変そうに思うのですが、意味を考えながら読まないので、逆に読書は早くなるかも。
(…でもさすがに七回はちとなぁ…w)

最後に

本著は「どうやったら勉強ができるようになるか」の、いわゆる「ハウツー本」ではありません。
どちらかというと、

「なぜ勉強が出来たのか」という、『why本』です。

出来ている人は何が違うのか。出来る人はなぜ出来たのかを問う。
そして、本著の最後のほうで「才能は誘導されてつくられる」という一節があるのですが、

「この子はできるに違いない」と誰かが思ってくれていると、子供は本当にできるほうへと勝手に寄せていく

そうです。
これを『ピグマリオン効果』といい、人は注目されることによって表れる効果があるとされているそうです。

そうか、子供をいい意味で”勘違い”させるといいのか。
よし、今日から実践しよう!とこの記事を書いている横で息子は宿題開始五分で

「疲れたから休憩」

と言っていますが、
怒らない怒らない。一休み一休み(←一休さん)。

大人になって勉強するというのもなかなか楽しいもんです。大人になる過程で分からなかったことが、改めて勉強すると見えてくることがる。
私にとっての簿記やFP3級の検定がまさしくそれでした。

『FP受験の記事』

老若男女問わず、「学ぶ」人にはお勧めの本です。

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