こんにちは。
kobaです。
どんな業界にも専門の雑誌、いわゆる「専門誌」というのがあると思うのですが。
お寺業界にも専門の業界誌があります。
その名もズバリ『月刊住職』
すごいですね~ズバリですね~。
この雑誌を発行しているのは興山舎さんという出版社さんなのですが、wikipediaで見てみると
『月刊住職』は1974年7月に創刊し、かつては金花舎より出版されていたが、同社の倒産により1998年7月号をもって一旦廃刊した。その後、編集スタッフなど同誌の関係者により株式会社興山舎が設立され、同年12月より実質的な後継雑誌として月刊『寺門興隆』(じもんこうりゅう)が発刊した。そして、2013年12月号より同誌は誌名を元の『月刊住職』に改めて現在に至っている。
発行部数は約15,000。ページ数は200頁。創刊以来、『寺門興隆』時代も含めて高野山真言宗住職の矢澤澄道が編集長を務めている。
誌面では、宗教的教義についての研究記事のほか、法律や税金、仏具の価格、法話に使えるネタから、作務衣の選び方や檀家に喜ばれる和菓子といった、寺院経営についての実践的な知識・情報を豊富に紹介。日本における仏教系宗教法人の経営の実情について知ることができる。
その他、各地で善行を積んでいる住職のリポートもあるが、「墓地を巡る檀家と住職の泥沼裁判」「住職殺害事件」など、日本の仏教界が抱える「負の面」を扱った記事も多く掲載される。
引用元…wikipedia
そういえば、僕の祖父が住職をしていてた頃に「寺門興隆」が置いてあった記憶があります。
お寺の事なんてよく分からない小学生くらいの時だったか…とにかくこの「寺門」という漢字がとても印象的でした。なんか『この言葉の響きってあまり聞かないな』みいな。
あまりお寺の人間が「寺門」って言葉を使わないなぁって。いや、ウチだけか?
この雑誌って、確かにお寺さん向けの実用的な特集があったりします。
とても印象的でよく覚えてるのは「住職さんが頭を剃るのに使う剃刀のおススメは??」みたいな特集。ブラウンが滑らかだとかSchickは定番だとか…だったかな?
wikipediaの後半にある『作務衣の選び方や檀家に喜ばれる和菓子』とかも、過去の記事だったと思うのですが、読んでみたくなる感じです。
それから『日本の仏教界が抱える「負の面」を扱った記事も多く掲載される』とありますが、確かにドロドロとした事件やトラブルの特集も掲載されています。
『寺族』(じぞく)という言葉、皆さんご存じでしょうか。
住職はお寺の代表ですが、その伴侶さんがいて子供さんやお孫さんもいて…。
つまり「お寺の家族」で『寺族』というわけですね。
この寺族は血縁関係だけに、確かに色々あるんですよね…。
血縁ゆえの割り切れない問題とか。
最近はそうでもないのですが、昔は「お寺の娘さんはお寺に嫁ぐ」みたいな暗黙の了解がありました。
お寺からお寺に嫁ぐと「親戚」になるんですよね。
そうするとお寺で何か法要や大きな葬儀があったりすると「親戚だから頼みやすい」みたいな感じになったりするんですよね。
でもそれが逆に寺族でない方が住職になったり嫁いでこられたりした場合に「差別的」と感じられることもあったそうです。
実際に私の伯母さんに当たる方もお寺に嫁いだのですが嫁ぎ先で色々あり、離縁して実家に戻られました。そして最後は自ら命を絶ってしまいました…。
お寺って「20代目」とか「35代目」とか長く続いてるところが結構ありますが、それだけ長く続くってことは奇麗ごとではすまない事があるんですよね…。
じゃあ何でお寺は血縁だけで続ける世襲なの?
と聞かれますが。
これは一言でいうと『それが最も経済的で合理的だから』なんじゃないかなぁと言われてます。
跡継ぎがいない場合、何処かから探してきて住職に就任してもらわないといけません。
でも、よその地方からお連れするのって中々難しかったりするんですよね。
だってその地方独特の言葉だったり習慣って有るじゃないですか。
それって子供のころから見聞きしてる人間が一番定着してるんですよね。
だから余計なお金もかからないし、話が早い。
地域の人も暗黙でそれを求めてるから、世襲って続いてるんじゃないかなぁ。
それにしてもこの『月刊住職』7月号の特集
って気になるなぁ~。
今時、ベンツに乗ってるお寺さんなんてあまりいないですよ。
そんなイメージありますが。
昔カウンタック乗ってテレビにバンバン出演して『カーッ!』とやってるO田M道って方いましたよね…。
あ、それから余談ですがこの月刊住職さんにはキレのあるユニークな”美人”女性記者さんがおられまして
時々「小林さん~〇〇ってどんなもんですか~」と取材ネタのお話をすることも…。
でもその記者さんも言っておられたのですが、基本的にはドロドロ記事を書いて世間に晒すなんてことは元々の目的ではなく、こんな風に言っておられました。↓
「どんな出来事も、あくまで今のお寺や住職を取り囲む状況の一側面で、普遍性があると思いながら書いてます。けっして他人事ではなく、共に考える為のテキストとして使ってもらえばいいなあって」
うーん、なるほどなぁと。
とかく世間は週刊誌的にスキャンダルを求めてしまいますが、やはりそれでは何も生み出さないんですよね。
他人事じゃない。
平穏な日々だって、何か一つ歯車がズレれば暗雲が立ち込め、クルっと歯車が噛み合えばやがて日が差してくる。
これって歎異抄の世界です!
「さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし。」
『歎異抄』(真宗聖典 p.634)
つまり、どんな人でも状況次第(縁)でいかようにでもなる、と。
逆を言えばこの世のすべては自分の能力や努力で成り立ってるのではなく、「縁」である。
これって仏教の根源 「縁起の道理」なんですよね~。
雑誌のレビューを書かせて頂きながら仏教の根源に触れさせてもらえました。
お寺の人間としてはありがたい限りです~!
koba
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