kobaです。
毎日コロナの話が続いてますが。
昨日、こんなニュースがありました。
以下、記事抜粋。
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県によると、50代男性、60代男性、80代男性、80代女性の4人が22、23日に松山市内であった通夜や葬儀に参列。30日に、栃木県で感染が確認された東京都内在住者がこの通夜・葬儀に参列していたと愛媛県に連絡があり、参列者7人にウイルス検査をしたところ、4人の陽性が確認された。県は他の参列者についても検査する。もう1人の感染者は、70代の自営業の男性で、12日に東京へ日帰り出張していた。
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この記事を見ると、東京から来た男性によって感染がもらされたとのこと。
そこで、本業が僧侶のkobaが通夜葬儀で感染ってどういう事?!と考えてみました。
通夜葬儀には遠方の人が来る
結論から言うと、通夜葬儀っていうのはとてもリスクが高いでしょう。
通夜葬儀って、今は大体セレモニーホール、葬祭会館のようなところで行われて、会食まであるわけですから。
今「三密を避けましょう」と叫ばれてますが、通夜葬儀の場は
三密をフルで満たしてしまっています。
狭い空間に近い距離でたくさんの人が集合してるわけですからね。しかも会食という、さらなる一押しでさらなるリスクが…
私達はナマの人間ですから、当然一度は死にます。
病気で死ぬ確率は何%か分かりませんが、人間の死亡率は100%です。死亡率が90%の人はいないですよね。
「10%の確率で死を免れるかもしれない」なんて事はないです。
そしてなくなれば、誰しも火葬されます。そして家族がいれば来ますよね。そして規模の大小こそあれ、通夜葬式が執り行われるわけです。
家族には兄弟がいて、そのまた子供がいて。それが『親戚』になるわけですね。オジさんとかオバさんとかイトコとか。
その方々は色んなところに住んでいて、遠方の人もいるわけですから、そうなると遠方から駆け付けるわけです。
そしてこの「色んなところ」ってのが難しいところで、誰がどこに住んでるか。
そして関係の近さと距離の近さが同じとは限らない。
そうすると『呼ばなきゃならない近い親戚が住んでるのは…そういえば…』という事があり得て、
『あの人を呼んでこの人を呼ばない』という訳にいかないのです。
一番近い親戚が遠い所に住んでいて、しかも感染の多い地域だとしたら…悩むところですよね。
でもそれがありえます。
通夜・葬儀は突然。しかも即決しなきゃならない
今のご時世だからといって皆が皆コロナで死ぬわけではなく、他の病気で死ぬことも、事故で死ぬことも。
いずれにしても葬儀は突然発生することがあって、しかも死後24時間以上経たないと火葬出来なかったり喪主の仕事の都合だったり親戚がこれなかったり。そしてkobaのようにお坊さんも居るわけですから、お坊さんの予定と合わせたりするわけです。そうすると急に葬儀が入った上にバタバタと日程を決めなければならない。
ちなみにこれは地域性もあるのですが、kobaの住んでる地域は田舎なので、お寺さんの予定を伺ってくださいますが、地域によっては予定が決まってからお寺に連絡が入るところもあるのだとか。
決めることはたくさんあって、しかも時間が無い。そして人生でそんなに何回も経験することでもないわけですから、分からないことがたくさんあって、分からないまま進めていって、あとで
「ああーこうしとけば良かった」「あれで良かったのかな」ということも沢山。
だから葬儀って大変なんですよね…。お金もかかっちゃうし手間もかかる。
そんなところから最近では家族葬といって参列する人を家族だけに限る形式が増えてきました。
でも家族葬は家族葬で、意外とトラブルもあったりします。
「家族葬ですので参列はごめんなさい」とやってしまうと、仕事で世話になったから最後のお別れをしたいとか、昔仲良くしてもらったからせめてお線香だけでもあげさせてくれ、という方が葬儀終了後にポツポツとお宅を訪問されて、手ぶらで返せないし、留守しちゃうのも失礼だったり。そんな声を家族葬をされた方から伺います。
難しいもんですね。
通夜葬儀でやってること
仏教の場合ですが、通夜ではお経があり、お説教(法話)があります。
お経の最中は静かにされてるのですが、それが終わり、『通夜振る舞い』と呼ばれる会食があると、皆さんで飲み物を注ぎ合ったり(お酌)食べ物を分けたりしますね。そこで感染リスクが高まるわけです。
ちなみにkobaが僧侶として葬儀を勤めていた時、参列の方はほぼ全員マスク。でも司会進行してる私とセレモニーホールの方はマスクしてませんでした。
あれ、不思議な感覚です。なんか自分だけしてないよ、周りはしてるのに…と。
ちなみに一回マスクして法事のお経を読んだことがあるのですが
めっちゃ息苦しい。
だって吐く息がマスクの中で留まったまま息継ぎするわけじゃないですか、そうするともうお経じゃなくて呼吸がおろそかになってくるのです。ていうか呼吸がおろそかという事は危険危険。
あ、ちなみにお経の最中にお休みになられてる方、いるじゃないですか。あれ、お経呼んでる僧侶の目の前に置いてある香炉に写っちゃってる時あるので、振り向かなくても分かることがあるのですよ。
以前、寝てる方を何人か発見してたら「なんで分かったの~?」と聞かれたことがあるのですが、ネタをばらすとそういう訳です。
もしコロナで亡くなったら葬儀はどうなる?
ご遺体は色々な状態があります。
病気でも皮膚に現れなかったり老衰だったりすると比較的穏やかに見えたりしますが、中には合併症がお顔に出ていたり事故だったりされるとご遺体に処置がされていることがあります。
ご遺体の状態によっては、例えば棺桶がグルグル巻きで開けられなかったり。
ではコロナに感染されて亡くなったらどうなるのか。
3/29に亡くなられた志村けんさんのニュースが出ていましたが、ご遺族は最後のお別れも火葬立ち合いもできなかったのだとか。
ちなみにコロナなどの感染性の病気で亡くなられた場合どうなるのかというと厚労省のHpに書いてありました。
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※一類感染症・二類感染症・三類感染症又は、新型インフルエンザ等の感染症の病原体に感染され、もしくはその恐れがあるご遺体は、24時間以内に火葬することができる。
『令和2年厚生労働省令第10号の死体の移動制限等(第30条)より一部抜粋』
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つまり、通常のご遺体とは扱いが違うということです。
これは逆に言えば感染の拡大を防ぐために早めに火葬を…ということです。これは悲しいことですが、そうしないと確かに感染を爆発的に加速させてしまいますからね。
難しいのは親族が風邪気味だったり、遠方から来られる場合。
先ほど書いたように、「この人は呼んであの人は呼ばない」というわけにいかないじゃないですか。
ではどうするか。
一旦火葬にして後日お別れの会を開く
通常、通夜葬儀でたくさんの方にお別れをしてもらって、お香典があがったりお香典返しを渡したり色々話し込んだり。
そういう、人と人のやりとりが悲しみを癒したり紛らわすことがあるのですが、この度だけはそうもいきませんよね。
そうすると、一旦火葬にして、後日またお別れの場をセッティングする
そうするしかないですよね。
大事なことはお別れを惜しみつつ、立ち上がる活力を頂く事。
「泣く」という字は「サンズイ」に「立ち上がる」と書く。
だから立ち上がる為に無く。
そして
「涙」という字は「サンズイ」に「戻る」と書く。
水を流して日常生活に、自分に戻る。
葬儀の本質はそんなところにあるのかもしれません。
koba
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